【ユルい社長の気になるハナシ】

《握り寿司、『一貫』『二貫』と数えるワケ》

日本語独特の言い回しに『モノによって数え方が異なる』というのがある。

箪笥(たんす)は『一棹(ひとさお)』、机や椅子は『一脚(いっきゃく)』、食器のお椀は『一口(いっく)』等々、かなりの種類がある。

外国人に大人気、『和食の代名詞』である寿司も独特の数え方をする。握り寿司なら、一つ二つでも一個二個でもなく『一貫』『二貫』だ。

実は、握り寿司が本格的に広まった江戸時代後期には、まだ寿司は一つ二つと数え、まだ『貫』ではなかった。

時は流れ、明治から昭和になっても、寿司について書かれた書物に『貫』はほとんど出てこない。

1975年に出版された『寿司技術教科書 江戸前寿司編』という本でようやく握り寿司を『一貫』と数える記述が多く見られる様になったという。

一貫二貫の語源については諸説あり、寿司を握る時の力を「一貫目の氷を重しにしたくらい」と表現した事が由来という説。

または江戸時代に、貨幣の穴に紐を通し、貨幣価値が一貫であると、その束ねた貨幣の大きさ・重さを寿司の単位にした、という説もある。

しかし一貫は実は約3・75kgである。見栄っ張りの江戸っ子が他の土地の人間に寿司の重さを誇張したのは明らかである。

また単純に、巻き寿司の『一巻』に貫の字を当てた、という説もある。

いずれにせよ、どれが正しいのかは、実ははっきりしていない。

そのうえ、握り寿司一個が一貫か、二個セットで一貫なのかという事も明確ではない。

ちなみに、二個ワンセットなのも諸説あり、有力なのは、昔はネタが少なくて、大きく握ったものを二つに切って出していた事の名残というのがよく知られている。

しかし、最近の回転寿司などでは、高価なネタは一皿一貫である。二貫セットの文化も変わりつつある。


【ユルい社長の気になるハナシ】

《日本のカレーとインドのカレーはどこが違う?》

日本に初めて来たインド人が、日本のカレーを食べて「この美味しい料理はいったい何というのですか?」と驚いたという笑い話がある。

あながち冗談ではなく、そこまでインドのカレーと日本のカレーは全く別物なのだ。何故か。

そもそもインドには『カレー』というメニューは存在しない。『カレー』とは、様々な香辛料を多用したインド独特の調理法によって作られた料理に対し、欧米人が付けた名称なのである。

インドでは、豆類を使ったカレーを『ダ―ル』、ホウレン草などの青菜を使ったカレーを『サ―グ』、カリフラワーとジャガイモを使ったカレーを『アルゴビ』…などなど、メニュー別に全て違った呼び名がある。

では、そんなインドのカレー料理と、日本のカレーライスには、どんな違いがあるのだろうか。

インドのカレールーは汁気が多くてサラッとしているのが特徴だが、日本のルーにはトロミがある。これはルーに小麦粉を加えているからだ。インドでは、ルーに小麦粉を入れる事はほとんど無いという。

この違いが生まれた背景には、欧米列強のアジア進出と、カレー伝来の歴史が隠されている。

イギリスは1600年設立の『東インド会社』を足掛かりに、インドの本格的な植民地経営に乗り出す。

それに続く様に、多くのイギリス人がインドに移り住み、インド文化を母国へ伝えていく事となる。

1722年、英国人ヘイスティングが、カレーの原料と米を母国に持ち帰り、それを元に19世紀初め、イギリスでカレー粉が作られた。

日本で使われているカレー粉は、インドではなくイギリスで考案されたものなのだ。

したがって、インドには『カレー粉』は存在しない。

さらにイギリスで、このカレー粉に小麦粉でトロミを加えた欧風煮込み料理が完成し、それが明治時代に日本に伝わった。

日本でカレーは初めインド料理ではなく西洋料理として広まったのだ。

これが日本のカレーが本場インドのそれとは、全くの別物になったという、そもそもの理由という訳である。

カレーが食べたくなってきた(笑)